「獅子ではなく牧者」(エゼキエル 46:4)

「獅子ではなく牧者」(エゼキエル 46:4)

「また、穀物のささげ物は、雄羊一頭について一エパ。子羊のためには、彼が与えることのできるだけの穀物のささげ物。油は一エパごとに一ヒンである。」(エゼキエル 46:4)

　国家には法律が存在し、誰でもその法律のもとで生活を営みます。しかしその法律に縛られない人がいますが、それは王です。それで王は時には法律を超えた絶対権力をもっているために、高慢にもなりやすいです。エゼキエル書46章では、君主たちが神殿で行うことについて記されていますが、そこには王は民よりも多くの捧げ物を捧げて民の模範になること、そして神殿への出入りも民と同じくすることで王も民と同じ人間であることをいつも覚えておくべきことなどを教えているのです。主が王に願われることは、絶対権力と力を持つ獣の王である獅子のような存在ではなく、自分に任されている羊を守り、助け、正しい道に導く、牧者になることです。ダビデが主と民に愛された理由も、牧者と羊の関係をよく理解し、牧者の心をもって民に仕えたと考えられるのです。信仰者は自分がおかれたところで、獅子ではなく牧者になるべきであることを、いつも覚えていなければなりません。